ワンピース作品中の謎を徹底的に考察・研究 ベッジとシフォンの生き様から見えてくるもの
ワンピース考察・研究 ベッジとシフォン
ベッジとシフォンの生き様から見えてくるもの
シャーロット家の者たちを家族とは思っていなかったシフォン
「ママに嫌われて……!! あんた達だけが本当の家族だった!! -だからいつか…!! ”私の仇”を討ってよ!!!」
第886話『生き様でちゅよ』で兄であるオーブンに反逆者として処刑されそうになった後、ベッジたちを捕らえるための人質として扱われていたシフォンは、ベッジとファイアタンク海賊団の者たちにこう言っていました。
この言葉から、シフォンを反逆者としたのは、他ならぬビッグ・マム自身だということが見えてきますね。
シフォンがシャーロット家の者たちを家族とは思っていない事は以前からわかっていたが…
以前にもシフォンは、ローラと似ていたために実の母ビッグ・マムから虐待を受け続けたことを明かした上でナミに
「もう私は あの怪物を母親とは思えない」
「ベッジがママを暗殺するって言った時 私は何も感じなかった…… ひどいと思われても…それが事実」
と言っていましたし、姉ブリュレに「許さないよ!! シフォン お前ってコは!!! ママを殺そうって奴に加担するとは!!」と言われて
「ブリュレ姉さん! ママが私に何をしたか知ってるでしょ!? ローラの身も危険 私の家族はベッジとペッツ! それだけでいいの!!」
と言ってもいました。(ワンピース85巻 第858話)
ですからシフォンがシャーロット家の者たちを家族とは思っていないことは以前からわかってはいましたが……第886話でビッグ・マム暗殺を企てたベッジにシフォンが加担した理由が改めて浮き彫りにされたかたちですね。
ビッグ・マムは自ら離反者・反逆者を生み出している!!
ビッグ・マムは、強大な怪物であり、それゆえに新世界に皇帝のように君臨する四人の大海賊=四皇の一人となっているわけですが……一方でシフォンに理不尽な虐待をしたり、プリンの第三の目を気味悪がり、心を傷つけたり(ワンピース86巻 第862話)と母親失格の面も持ち合わせています。
そのビッグ・マムの母親失格の面がシフォンのような反逆者を生み出したと言っていいでしょう。
ナワバリウミウシの働きを魅惑の歌声で止めるという反逆行為に出たプラリネ(ワンピース 第884話)もビッグ・マムに対する愛情は持っていない可能性は高そうですから、彼女も何らかの虐待をビッグ・マムから受けてきたのかもしれないですね。
ビッグ・マムを母親失格にさせたものは…
ビッグ・マムが自分の子供の心に大きな傷を負わせるような母親になってしまったのは、子供時代に二度にわたって親を失うという辛い体験をしたためなのかもしれません。
実の親に捨てられ(ワンピース86巻 第866話)、母親のように慕ったカルメルが突然姿を消してしまった(おそらく無意識のうちに自分で食べてしまったのでしょうが ワンピース86巻 第867話)という幼少期の体験が、ビッグ・マムを欠落した母親にさせてしまったということは十分に考えられそうですからね。
そして、欠落した母親となったことによってビッグ・マムは自ら反逆者を生み出してしまった……そういうことなのでしょう。
悪趣味なイカれた野郎というだけではなかったペッジ
裏社会のボスの首を取り、その後に起きる血まみれの覇権争いや裏で繋がる権力者の狼狽を見て楽しみ、復讐者を返り討ちにして、敵の無念を嘲笑ってきたというベッジ(ワンピース85巻 第857話)は、実に悪趣味なイカれた野郎だと思っていました。
いえ…ベッジが悪趣味でイカれた野郎であることは間違いないのでしょうが、第886話で自らの危険も顧みずにシフォン救出に向かい、愛息ペッツに「目に焼きつけろペッツ これがパパの生き様でちゅよ!!!」と語りかけたことによって、ベッジは「悪趣味なイカれた野郎」という言葉だけでは語れない男であることを 証明したと言っていいのではないでしょうか。
もしも、ペッジが「悪趣味でイカれた野郎」という言葉だけで語れてしまう男だったら、命懸けでシフォンを救出に行こうなどとはしなかったはずですからね。
ベッジにはシフォンが必要でシフォンにはベッジが必要だった
ベッジが「悪趣味でイカれた野郎」となったのは、生まれついた時から持っていた性質が大きく起因していたということも考えられますが、やはり子供時代に何らかのかたちで心に傷を負ったためという可能性が高いでしょう。
ベッジにとってシフォンは、その心の傷を癒してくれる存在だったのではないでしょうか?
母親であるビッグ・マムから虐待を受けて生きてきて、心に傷を負っていたシフォンとやはり心に傷を追っていたベッジは、お互いに相手に自分と共鳴するものを感じとっていたのかもしれません。
そして、シフォンは、せっかく得た「家族」を失いたくないために自分の死は覚悟した上で
「ベッジ!!! みんな!! そのまま逃げな!!! ここへ来たのはアタシの身勝手!! 捕まればどうせ全員 死刑になる!! あんた達だけでも助かって!!!」
と叫んだのであり、ベッジもまたせっかく得たベストパートナー=シフォンを失いたくないために命懸けでシフォンを救おうとしている(ワンピース 第886話)のでしょう。
この記事と関連性が大きい
も是非ご覧ください
続けて『作品世界考察 月の獅子(スーロン)となるミンク族に必要な訓練とは?』をご覧ください
『ワンピースネタバレ1118話 鉄の巨人は海に沈んだが…』はこちらから
※当サイトの内容の無断転載・無断使用を固く禁じます
※当サイト内の画像はAmazonにリンクしています